Ｎの日常

色々ありながらも、手術後四日経過すると、四人部屋に移った。

僕以外皆お爺ちゃん。
消灯の時間は夜九時なのに、八時くらいには電気を消されてしまう。
僕の了解無しに。
３対１。
多数決、、むしろ年功序列縦社会なんでしょうか。
九時にはお爺さま方、皆さんは、気持ちよくイビキをかきながら寝てらっしゃる。

…。
一人部屋の時には、足に付けた加圧式機械みたいなヤツの音に悩まされ、四人部屋でもイビキて…。


寝不足

この寝不足の螺旋から、打破、抜け出さなければなさない。
だけど、何も打開策もないまま、ズルズルと日にちが経っていく。
…
そして手術をして丁度一週間が経った。

チョットした不安がありました。

手術後、排便を未だにしていない事。

四人部屋に入った時にはオムツは取れている。
いつもと違う空気感で、環境が変わったせいなのか、僕の気が張っているのだろう。
…
と思っていた。
看護師さんに「排便をしたくなったらいつでも簡要トイレを持ってきてあげるね。」～と、頻繁に言われるようになった。

そんな日、嫁が夜仕事帰りにお見舞いに来てくれた。
夜八時を過ぎていたので当たり前のごとく、部屋は暗い。

だけど、まだ僕はあまり動けないので、部屋の外での密会は出来ず、暗い部屋で嫁とコソコソ話をする事しかできなかった。

…
もしかすると、夜中に便意がくるかもしれない…、との事で、看護師に話を通し、嫁にコッソリと、ベットの横に簡要洋式トイレを持ってきてもらった。



…

それは簡要トイレを見た瞬間にやってきた。


猛烈な便意。

僕…「だっ駄目だ！肛門を誰かにすごい速さでノックされてる～！！」

手術後一番の機敏さで、僕は慌てて起きあがり、簡要洋式トイレに座り込む。

嫁は自主規制、判断で、一時避難を決行した。



ウヲ～ッ！！！
…
「北斗のケンシロウ」バリのオーラがコダマする。




オリャーー！！！

「ピーッ！！！」
「ピーッ！！！」



「ドラゴンボール」

ブルマがウーロンに舐めさせたピーピーキャンディーを思い出しながら排便をする。



…
僕は、お爺さま方のイビキのお返しとばかりに、大きな不快音を数分にわたり響かせ、そして数年に一回くらいの強烈な異臭を、部屋中に漂わさせた。


爺様達のイビキが停まった。

…我…復讐ｦ実行…
……ｿｼﾃ成功ﾅﾘｹﾘ……

これで爺さん等と僕はライドンな関係になった。




おまけ…

僕の出し切ったその簡要トイレにした「便」は、嫁の手によって綺麗にして頂いたのだが…、

「する前にちゃんと紙をヒいてしないから、こびり付いて洗うのが大変だったじゃない！」

…と、暗い部屋、イビキが聞こえない部屋で、嫁に怒られた。

…
恥ずかしさが僕を取り巻く。
…。

最後に笑った勝者は、ただ一人。

僕の「嫁」だったのは言うまでもない。